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	<title>地球のどこか &#187; 掌編小説（ノンフィクション）</title>
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	<description>Somewhere on this planet</description>
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		<title>少年の財産</title>
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		<pubDate>Mon, 06 Sep 2010 13:30:24 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[掌編小説（ノンフィクション）]]></category>

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		<description><![CDATA[


「死の行進」と呼ばれた戦史は、フィリピンの休日にもなっている。しかしながら、バターンの人々の日本人に対する印象は、別段悪い物ではない。むしろ、アメリカ統治時代に、左翼ゲリラに肉親を殺された人々の記憶が強い。経済的に [...]]]></description>
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<p><a href="http://homepage1.nifty.com/SENSHI/book/objection/4kousin.htm">「死の行進」と呼ばれた戦史</a>は、フィリピンの休日にもなっている。しかしながら、バターンの人々の日本人に対する印象は、別段悪い物ではない。むしろ、アメリカ統治時代に、左翼ゲリラに肉親を殺された人々の記憶が強い。経済的にも、バナナ農園で搾取されているアメリカ資本への恨みが強い。</p>
<p><span id="more-17"></span></p>
<p>バターン半島は、ルソン島南部、マニラ湾を挟んで首都の対岸だ。マニラ側の東岸、州都バランガでさえ、１０キロ内陸に入ればジャングルだ。西岸のモロンは、ところどころ海岸線近くまで密林がせり出している。</p>
<p>ヘルトルーデスは、私のために4LDKの一部屋を、専用で割り当ててくれた。家の横は林、その先はジャングルだ。夫ルペルトが、私の入国より一日遅く、出稼ぎ先のサウジアラビアからクリスマス休暇で帰国するまでは、何事も彼女が采配を振るう。</p>
<p>実際、4LDKなのかはわからない。私の寝泊まりする部屋がある一階には、私の部屋と居間、食堂とトイレがあるのみだ。少なくとも、私以外の家族７人と、祖父母の望まぬ父を持つ子を宿した大きなお腹を抱えて、実家には戻れぬ次女の同級生は、残りの部屋で寝ることになる。</p>
<p>夜には、隣人がワラワラと集まってきて、希な外国の客に挨拶をしに来る。酒盛りだ。私は奮発して、近所のサリサリストアで、プンタドールという蒸留酒と氷を買ってきた。一ビン千円ほどの酒だが、ここでは最高級酒である。</p>
<p>フィリピン人は氷を「イエロー」と呼ぶ。氷の実物を見ればその訳が分かる。強い蒸留酒を、ストレートで飲む羽目になった。</p>
<p>フェルディナンド・マルコスが大統領だった頃、この国の唯一の公用語は英語だった。小学校に通えた大人は英語が堪能だ。しかし、二世紀もの間宗主国だったスペイン語の影響が強く残っている。ハリウッド英語しか聞く機会のない日本人には、なかなか聞き取りにくい。</p>
<p>誰かがVideoCDデッキを持ち出して、カラオケが始まった。二、三十年前のアメリカン・スタンダードに混じり、タガログ語の歌もある。この国のおじさん達が歌う演歌といったところだろうか。音痴の私は、マイクが回ってきても遠慮した。</p>
<p>そして、この国の常は停電だ。電気が止まれば水も止まる。送圧が減った水道から、全家庭が一斉に貯め置きを開始するため、蛇口から出てくる水は、益々細く、茶色くなる。</p>
<p><a href="http://www.asiaone.com/News/Latest+News/Asia/Story/A1Story20100312-204269.html">首都マニラを優先させるため、一頃は毎晩、周辺都市で順番に電気が止まる停電リレーがあったそうだ。</a>滞在中も、三度は停電にあった。お蔭で満天の星が、欲しいままだ。</p>
<p>田舎でも夜店が出る。クリスマスシーズンなら尚更だ。ルペルトの末息子、ロムニックが私の手を引いて誘い出した。手みやげのプレステが功を奏し、私は即座に、少年のアイドルとなったのだ。</p>
<p>少年は、テキ屋の開くルーレットをしきりにやりたがる。大人は、胴元が圧倒的に勝つことを重々承知なので手を出さない。だが、貧しい者ほど射幸心を煽られ、この国でもギャンブルは盛んだ。元手の少ないギャンブルは、絶望的に勝てないものだ。少年よ、大きくなって、儲けてからラスベガスに行け。破産してもその責任を、自分で取るのが大人だ。</p>
<p>100V仕様のプレステを、誤って降圧トランスを介さずに220Vのコンセントに差し込むと、当然のことながら、一条の煙と共に昇天する。ここが日本ならば、少年の宝物は廃棄物となるわけだ。しかしこの国では、自動車でも電機製品でも、可能な限り自分たちで直す。そして、エレクトロニクス・エンジニアたる私のカブを、更に上げるチャンスだ。中を見て、壊れている可能性のある部品をリストアップし、翌朝、モロンから北へ20km程のオロンガポ市へと向かった。</p>
<p>かつての米軍基地の町は、日本で言えば横須賀といったところだろうか。ショッピングモールから個人営業の工具屋まで、なんでもある。そして、十年前の秋葉原の部品屋もどきまで。三菱のMOSFETと東芝のダイオード、電解コンデンサを買って、見事にプレステは生き返った。インターネットで部品のデータシートまで見ることができていたなら、220V仕様に改造してやったのだが。</p>
<p>子供は大人のコピーだ。良きにつけ悪しきにつけ、彼らの行動の起源は大人の行動である。</p>
<p>この国の殆どの人にとって、路上はゴミ捨て場だ。ある時、ロムニックの叔父が車の中のトラッシュ・ボックスを、汚れた小川にぶちまけた。「フィリピン・スタイル」と言って、彼は笑顔を見せた。</p>
<p>別の日、煙草の封緘を開けたときに、私は紙ゴミを道に落とした。それを拾っていると、ロムニックが見ていた。私が携帯灰皿を持ち歩いていることも、少年は承知している。そして、その意味もだ。</p>
<p>菓子の包みを開けたとき、少年の手からゴミが落ちた。少年はゴミを拾い、私の顔をうかがう。微笑んで頷くと、少年も満足そうな笑みを浮かべた。日本のゲーム機など取るに足りない。この土地、この川、この海こそが、君たちの財産なのだ。</p>
<hr />
<p align="right"><em>(2000年頃の話です)</em></p>
<p>イエローは、かつての宗主国の言葉、スペイン語の「hielo」（イエーロ、イエロ：氷）が、本当の語源なんでしょう。でも、どう聞いても発音は「yellow」（イエロー、イエロウ）です。</p>
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		<title>島の些細な問題</title>
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		<pubDate>Mon, 06 Sep 2010 13:04:33 +0000</pubDate>
		<dc:creator>dohi</dc:creator>
				<category><![CDATA[掌編小説（ノンフィクション）]]></category>

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		<description><![CDATA[


 ソウルに隣接する、京畿道（キョンギド）議政府市（ウィジョンブッシュ）は首都圏のベッドタウンだ。大田（デジュン）のような工場地帯でもなければ、釜山（プサン）のような観光地でもないここには、雪岳山（ソラクサン）国立公 [...]]]></description>
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<p><a rel="attachment wp-att-12" href="http://www.somewhere.bulog.jp/?attachment_id=12"><img class="size-full wp-image-12 alignleft" title="small_probrem_islands" src="http://www.somewhere.bulog.jp/wp-content/uploads/small_probrem_islands.jpg" alt="" width="72" height="96" /></a> ソウルに隣接する、京畿道（キョンギド）議政府市（ウィジョンブッシュ）は首都圏のベッドタウンだ。大田（デジュン）のような工場地帯でもなければ、釜山（プサン）のような観光地でもないここには、雪岳山（ソラクサン）国立公園の登山客が宿を取る以外、日本人など訪れることは滅多にないらしい。</p>
<p><span id="more-6"></span></p>
<p>知人にモーテルまで送ってもらうと、既に深夜であった。韓国人ビジネスマンのくせに酒が飲めない知人と別れ、一人、アルコールへの渇望を満たしに出掛ける。小さな街だが年中無休２４時間営業はこの国民の常である。どこの国のコリアンタウンも、飲み食いする店に「準備中」は無い。送ってもらうときに車窓から目を付けていたウェスタンバーの扉を開けると、予想通りカウンターに居座って、ゆっくり飲めそうな店である。</p>
<p>金大中（キム・デジュン）が日本文化開放路線を取ったおかげで、若いバーテンダー達は、日本アニメやアイドルの話をしきりにしてくる。希な日本人客にちょっとしたサービスのつもりであろうが、こちらより彼らの方が詳しく、むしろ話に付いていけない。</p>
<p>三杯目を空けた頃に、カウンターの五席ほど離れた男が話し掛けてきた。おそらく彼が初めてバーで出合った日本人が、饒舌で愛想の良いことに興味を持ったのだろう。くれた名刺のロゴはどことなく見覚えがある。三十代半ばの男は、韓国中堅企業営業部門の管理職であるらしい。ひとしきり仕事のことなどを話した後、戦争の話になった。過去の不幸なことにより韓国人が苦しんだ。大変残念に思う。そう言うと相手は不思議がり、何故そのことを知っているのかと問うてくる。彼らの見る日本のニュース映像では、全ての日本人が正義の戦争であったと考えていることになっているようだ。</p>
<p>日本人が東アジア、東南アジアに飲みに行くと、行きずりの相手の反応は二つに一つだ。極端に気を遣ってこの話題を避けるか、彼らの「真実」を日本人に伝えようとするかだ。真実などあまり意味がない。数ある事実のうち、人それぞれ都合の良いものだけを集めたものを真実と呼ぶ。韓国で配信される日本のニュースだって、それだけで真実たり得るのだ。</p>
<p>話は原爆に及ぶ。アメリカが憎くないのかと。彼の日本への思いと、日本人のアメリカへの思いを対比しているのだ。今更、真珠湾と広島、長崎でアメリカ人と喧嘩するのは、漫画の中ぐらいのものだ。「戦闘に勝敗はあっても、戦争に勝者はない。敗者が残るだけだ」</p>
<p>だが、かなり酒の回った彼に、その理論は通じていないようだった。</p>
<p>そして最後に、「<a href="http://mywiki.jp/seven/%8E%91%97%BF%83y%81%5B%83W/%92%7C%93%87%96%E2%91%E8+-+%8A%D8%8D%91%90%AD%95%7B%82%CC%8E%E5%92%A3/">独島（トクト）は韓国と日本のどちらの領土だ</a>」と聞いてくる。結局それか。「領土問題など政治的かけひきの話だ。我々がそのことで口論するのは実に愚かなことで意味がない」</p>
<p>酔った虚ろな目でウンウンと頷いて、「そうだその通り」と男はグラスを出して乾杯する。だが二分もするとまた、独島はどっちの領土だと聞いてくる。もはや男の思考は無限ループの中である。</p>
<p>朴正熙（パク・チョンヒ）、崔圭夏（チェ・ギュハ）、全斗煥（チョン・ドハン）と続く軍事政権の親日政策とは裏腹に、かつての侵略国を現在の仮想敵国として頭に叩き込まれてきた最後の世代であろうか。政権ではなく、民衆側がプロパガンダを必要としていた熱い時代でもある。</p>
<p><a href="http://tanakanews.com/f1124japan.htm">日本の総理大臣が、アジア各国との外交折衝がおこなわれるタイミングで度々靖国参拝をする</a>のもプロパガンダである。韓国人に仮想敵国が必要でなくなった今でも、靖国参拝にある意図を知らずして、まんまとこれに乗せられた熱い世代が反日デモをおこなう。反作用として日本人の韓国への嫌悪感を煽る。中国にしても同じだ。国外の世論を利用して自国の世論を誘導するとは、相当な策士だ。十年後、我が国の世界での地位を見ることによって初めて、彼らの策が正しかったのかどうか検証できる。深淵だったのか阿保だったのか、今は判断の付けようがない。</p>
<p>そして、竹島問題も領有権の話ではない。埋蔵資源や漁業権などはむしろ些末なことではなかろうか。その価値は世論利用と、両国間の距離を調整する外交手段以外の何ものでもない。今のところ、愚かな「知識人」と呼ばれる人々を利用して、実質駐留している韓国を余所目に、一方的に日本の官僚と政治家がこの島をうまく働かせている。彼らには北方領土より使える島なのである。</p>
<p>そのうち男は、敵は中国であると言いだした。日本と韓国が手を組んで、中国に対峙すべきであるというのだ。酒でへべれけの彼の独島問答に対して肯定も否定も返さない、なんだか手強い日本人に、共通の仮想敵国を仕立てて領土の話を続けたいようだ。竹島が尖閣諸島にすり替わった。</p>
<p>現代の韓国社会システムは驚くほど日本に似ている。大陸を起点とする、元々同じ文化の移動経路にあったからというだけではない。<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%83%8A%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88#1996.E5.B9.B4.E4.BB.A5.E9.99.8D">車のナンバープレートにしても、日本と色違いなだけだ。</a>朴正熙以降、韓国自身も驚異的な経済発展をしてきたにもかかわらず、半歩先に戦後復興を遂げた日本に対し、憎悪と羨望とをないまぜにした複雑な感情を抱いてきたのだ。嫌いながらも見習ってきたのだ。日本を嫌悪する彼らは、侵略ではなく、政略の被害者なのかも知れない。</p>
<p>男に話を振られてもこの不毛な領土の会話に関わってこない、バーテンダーのように若い世代はしたたかだ。彼らには、政略は通用しないことを願う。</p>
<p>テレビや新聞で見慣れた政治家とは異なる態度の日本人を見て、男は気分良く帰って行ったようだが、無限ループの思考の相手で酒が不味くなった。飲み直す店を探しに出た。</p>
<p>次の店は客が少なく、話相手はカウンターの中の、女のバーテンダーだけだった。三十そこそこに見える彼女が、果たしてさっきの男と同じなのか知りたくなった。よせば良いのに、それとなく話を振ってみた。<br />
「そりゃあ私は韓国人だから、韓国領土だと言うしかないわ。あなたはどう思う？」<br />
「領有権など些細な問題だよ。共に平和に利用すれば良いだけだ」<br />
「そうね」</p>
<p>彼女にも、些細な問題だったようだ。飲み過ぎてはいけない。</p>
<p></p>
<hr />
</p>
<p align="right"><em>(2007年頃に書いたものなので、当時の社会情勢を反映しています)</em></p>
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